[ 研究統括 ] 有馬 孝
宮崎県木材利用技術センター所長
[ 科学技術コーディネータ ] 米良 博
[ 科学技術コーディネータ ] 長友 太
【産】
都城森林組合、清本鐵工(株)、九州オリンピア工業(株)、霧島酒造(株)、JA都城、都城木材(株)、都城地区プレカット事業協同組合、(株)千人、日高勝三郎商店、宮崎みどり製薬(株)、南国興産(株)、(有)はざま、大和工機(株)、下森建装梶A(株)三洋環境社プランナー、(株)濱田製作所
【学】
宮崎大学、都城工業高等専門学校
【公】
宮崎県木材利用技術センター、宮崎県工業技術センター、宮崎県畜産試験場
木材関連産業が集積した都城盆地エリアにおいて、県産材の利用の拡大や未利用木質バイオマスの有効活用等に取組み、山村の活性化及び地球温暖化防止への貢献のモデルを示す。また、畜産を中心に農業産出額全国8位の食料供給基地として健全な発展を目指し、畜産の集積を背景とした土壌の窒素過多を解消するため、メタン発酵や堆肥化が難しい豚ふんについての焼却処理技術の開発が必要となっている。
このような状況をふまえ、未利用木質バイオマスのエネルギーの徹底的な活用を機軸とした豚ふん焼却処理・木材乾燥システムを開発するとともに、派生した焼却灰や排出液、二酸化炭素などを原料とした有用物質の回収や新規機能性物質の開発に取組む。これにより、林産業の振興、環境調和型農畜産の推進及び環境関連の新技術・新産業の創出を図り、安全で快適な循環型社会の形成及び産業の振興を推進する。
自燃の困難な豚ふんを助燃剤として利用するため、カーボンニュートラルな低品質木炭(燻炭)を安価に製造する技術を確立し、低品質木炭の原料となる未利用の木質資源の排出状況や性状等を把握する。豚ふん及び低品質木炭の基礎的物性を測定し、ばらつきも多くなじみにくい材料を混合する条件を検討する。豚ふんと低品質木炭の混合燃料のエンジニアリングデータの収集解析を行い、燃焼ガスの流れの数値シミュレーションの結果を含め、固定床炉、流動床炉、ストーカー炉等の多様な燃焼炉タイプの中から適切な炉を絞り込む。ベンチ・スケールの燃焼炉を設置して、発生する熱エネルギーデータから既存の木材乾燥システムとのコスト比較を行い経済的優位性を確認する。
左記エネルギーカスケード利用システムから排出される木材乾燥に含まれる化合物の化学構造・組成を解析し、生理活性化合物や塗料として利用できる化合物を絞り込み、これらの化合物を内包できるマイクロカプセルの基礎技術を確立する。
また、システムから排出される焼却灰からのリン回収技術を確立するとともに、燃焼炉から発生する二酸化炭素を固定化するために、微細藻類等独立栄養生物を自然界から分離して培養条件を検討する。
豚ふん、木炭及びこれらの混合燃料について熱分解特性(DTA)を測定し、混合燃料の燃焼特性を明らかにした。
ベンチ・スケールのロータリーキルン燃焼炉により、混合燃料の燃焼ガスの炉出口温度、O2・CO・CO2・NOX等のガス成分を測定し、混合燃料の組成による燃焼ガスの特長を明らかにした。
パイロット・スケールの燃焼炉設計のための基礎的熱計算の試算より、環境に安全な燃焼ガスの排出のためには過剰空気量比を2以下にすべきこと等の資料を得た。
【写真:パイロット・スケール炉による燃焼実験】
スギ材乾燥排出液から溶媒抽出・吸着剤分離法により精油成分等を分離し、その抗菌活性・抗蟻活性・殺虫効果を明らかにした。また、その物質のマイクロカプセル剤を調製した。
豚ふん燃料の燃焼焼却灰からリンを回収するために、基礎研究として豚ふん中のリン抽出・分離を行った。リン抽出率の高い溶剤・方法及び他の無機物質の除去方法を見出した。
燃焼ガス・熱等を利用して、培養・有用物質生産可能な微細藻類を自然界より探索・分離した。高温(40℃)耐性藻類の45株や細菌増殖機能性藻類の5株等を見出し、これら株の特性を調査した。