宮崎県成長期待企業

都城市大和フロンティア株式会社(旧 大和検査鉱業株式会社)

大和フロンティア株式会社
放置竹林対策と農畜産業の後押しに貢献!
一石二鳥の“笹サイレージ”

畜産が盛んな都城市で、竹を原料とした家畜飼料「笹サイレージ」の量産化に取り組む。竹の有効活用で放置竹林の解消にも貢献し、家畜の肉質向上や農作物の発育促進にも効果が期待される。放置竹林対策と畜産業・農業の両面に役立つ地域資源循環システムのさらなる普及を目指す。

全国初「笹サイレージ」の量産化にチャレンジ!

大和フロンティア株式会社代表取締役 田中 浩一郎

 畜産がさかんな都城市で以前より牛舎に敷く「のこくず」などの製造・販売を行ってきた大和フロンティア。取引先である畜産農家が飼料の価格高騰や国内自給率の低迷などの悩みを抱えていたところ、県畜産試験場が研究を進めていた竹から作る飼料、「笹サイレージ」が目に留まる。もともと畜産農家の取引が多い同社の実績もあって、県の後押しを受けて量産化への取組みを開始する。

 2015年には国の補助事業を活用して伐採用機材や細断型ロールべーラー、ラッピングマシンなどを導入して製造をスタートし、翌年には全国初の量産化施設を開所した。

 「笹サイレージ」は、まず竹葉を粉砕機で細かく砕き竹パウダーにする。「牛が食べやすいよう細断サイズを改良しました」と、1ミリまで微細化した青竹は水分を含みしっとりと優しい手触りだ。これに糖蜜を混ぜ合わせロール状に圧縮したものをラップで包み約40日間発酵させると出来上がる。カビの発生や発酵不足など様々な課題を克服し、2016年にはオリジナルの梱包システムで特許も取得した。

放置竹林の有効活用で地域資源の循環を

 「笹サイレージ」は、全国的に問題になっている放置竹林の解消にも期待が寄せられている。竹林の所有者の高齢化や過疎化などにより放置された竹林が農地や里山の荒廃を招く「竹害」に自治体も対策に頭を悩ませる中、「業者に依頼すると100坪で70万~80万円の撤去費用がかかりますが、うちはタダで作業します」と、その取組みは竹林の所有者からも喜ばれているのだという。

 同社は2005年、ガソリンスタンド(GS)の定期点検の要件が厳しくなった時に、点検資格を所持していた田中社長が「スタンドオーナーの費用負担を軽くしたい」との思いから創業したのが始まり。県内の約半数のGSを担当するまでに拡大するが、GS数の減少に伴い多角経営を模索。点検で使用していたダンプカーを活用して「のこくず」の製造、販売を始める。「のこくず」は畜産で敷料として使われ、同社は現在も南九州1位の出荷量となっている。「原料の高騰で収益性は望めないが、畜産業を下支えしている立場として供給を止めることはできない」と、責任感を口にする。「新たな事業を模索する中、見つけたのが笹サイレージだった」という。

 「皆さんが困られていることを解決していたら、ここに辿り着いたって感じですね」田中社長の人柄で切り拓いた道とも言える。

畜産から農業まで幅広い普及を目指す

 「笹サイレージ」を半年間与えた肥育牛の実証実験では、「実験した12頭のうち10頭が4等級、2頭が5等級と優秀な結果になり、枝肉重量も平均で30キロ増量しました」と良い結果を得ている。さらに都城市高城町のブランド豚、観音池ポークでも実証実験を行い、「美味しさの目安として注目されるオレイン酸の値が上昇。また竹を食べることで豚の腸内環境が良くなり悪臭緩和にも効果が出ています」と言い、畜産業界での手ごたえを感じている。

 「笹サイレージ」は農業分野での利用も進んでいる。乳酸発酵しているため「土の中の善玉菌の活性を促し、根張りが良く糖度も増して美味しい野菜ができたとの実験結果も出ています」と話す。

 現在年間で3000ロールを生産し、5年後には2万4000ロールの生産を見込む。田中社長は「笹サイレージの普及を進めることで農畜産業の発展と放置竹林解消の両方に寄与できる。竹を使った地域循環の仕組みを各地に広げていきたい」と今後はフランチャイズとして全国を見据えた展開を検討している。

【笹サイレージが出来るまで】

  • 大和フロンティア株式会社①伐採してきた竹を笹ごと粉砕機へ投入
  • 大和フロンティア株式会社②あっという間にパウダー状に
  • 大和フロンティア株式会社③パウダーと糖蜜を混ぜ合わせる
  • 大和フロンティア株式会社④ロールペーラーで円筒状に固める
  • 大和フロンティア株式会社⑤専用マシンでラッピングして出来上がり
  • 大和フロンティア株式会社⑥広い敷地内で出荷を待つ笹サイレージ

成長期待企業DATA

社名 大和フロンティア株式会社
業種 木材・木製品製造業
本社住所 〒885-0042
都城市上長飯町2416-5
電話 / FAX 0986-21-0151 0986-21-0135
ホームページ https://www.yamato-frontier.co.jp/ 
代表者 代表取締役 田中 浩一郎
資本金 1,000万円
社員数 18名(2018年12月末現在)
創業年 2005年