宮崎県成長期待企業

日南市吉田産業株式会社

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木を余すことなく活用し、循環型社会の構築を目指す

豊かな林産資源と広大な敷地を活用して、植林から伐採、搬出、製材加工まで完全一貫生産体制を行う国内有数の製材工場。また地域資源の有効活用として端材を利用したバイオマス発電や木質燃料などにも力を入れる。新たな木質構造材CLTを用いたハイブリット工法を開発し、地方型CLT建築の普及を進める。

飫肥杉の付加価値向上で地域資源の循環システムを構築

代表取締役 吉田 利生代表取締役 吉田 利生

宮崎県は建築材に使われる杉の素材生産日本一を誇り、中でも日南産飫肥杉は軽量で粘り強くて折れにくく国内外でも人気の特産木材だ。吉田産業は、この豊かな林産資源と広大な敷地を活用して、植林から伐採、搬出、製材加工まで完全一貫生産体制を行う国内有数の製材工場である。

売上の多くを一般建築材が占め、自社所有の山林から切り出した原木を製材工場で一次加工、グループのウッドエナジー協同組合が乾燥や集成材の加工を行う。中でも縦継材(フィンガージョイント材)の製造設備は、他社にはない汎用性と加工能力を誇る。昨年より工場の夜間操業を開始し、より生産性を高めて市場ニーズに対応している。

「木を余すところなく使い切りたい」と、2004年から組合を活用して木質バイオマス発電を始め、その蒸気は木材乾燥にも利用する。2015年には新会社パワーラインを設立し、人工乾燥された含水率の低い原料を高圧縮により形成した木質再生加工薪「ブリケット」を開発、販路拡大を目指す。「山の恵みに感謝し、森林資源の循環型社会を構築していきたい」と吉田社長は抱負を語る。

医学の道からの転向、先を見据えた戦略で成長企業へ

1946年、吉田社長の祖父が「故郷の資源を生かして戦後復興を」と串間市で創業したのが同社の始まり。造船材や住宅資材の供給で戦後の復興を支え、県内屈指の木材加工会社へと成長した。

吉田社長は2代目社長だった父から「継がなくていい」と言われて育ち、中高一貫の進学校から医学部へ進学、医師になるものと思っていた矢先、闘病中の父から「帰って来て欲しい」との声がかかる。医師を諦めたくはなく悩んだが、「製材所を大きくしたい」という父の夢を叶えるため医学部を中退し19歳で入社。父の死去に伴い1995年に弱冠25歳で社長に就任する。当時海外からの安い集成材に押され、国内市場は大変厳しい時代に入っていた。「何か手を打たなければ」と周囲の協力も得てウッドエナジー協同組合を立ち上げ、社運をかけて集成材加工を行う工場を新設。飫肥杉を利用した構造用集成材・乾燥材の加工・販売を行い、製材所とともに業績を伸ばしている。

地方型のCLT建築で新たな市場開拓を狙う!

次世代の構造材と言われる「クロス・ラミネーテッド・ティンバー(CLT)」は、木の繊維が直角に交わるように貼り合わせてパネルにすることで「コンクリート並みの強度があることが実証」され、これまで木造が難しかった商業施設や中高層建物での活用が期待されている。

グループのウッドエナジー協同組合では新社屋を全国で初めてCLTと従来の木造軸組を組み合わせたハイブリッド工法で建設し注目を浴びている。「飫肥杉の強度を新工法で補うことで用途が格段に広がり、新社屋をモデルにして地方型のCLT建築を広めていきたい」と意気込んでいる。

「山の恵みに感謝し、木を余すことなく価値ある商品へ転換して世に提案することで、森林資源の循環を担っていく使命がある。この思いを次世代に引き継いでいくためにも、これからは人の育成が大切。熟練者の技を伝承し、若い世代を育てていきたい」と支援機関のサポートも受けながら内部力の強化へも力を注ぐ。

ウッドエナジー協同組合社屋
次世代の木造建築CLTで建設されたウッドエナジー協同組合社屋次世代の木造建築CLTで建築されたウッドエナジー協同組合社屋

吉田 利生(よしだ としお)

休日は3歳の娘と温泉や公園へとお出かけするのが楽しみ。子どもが出来て改めて地元の海の美しさにも気づいた。「異業種交流も面白く、社員も含め積極的に参加し情報も取り入れたい」
1969年生まれ。串間市出身。

成長期待企業DATA

社名 吉田産業株式会社
業種 木材・木製品製造業
本社住所 〒889-3215
日南市南郷町榎原甲2091番地
電話 / FAX 0987-74-1311 0987-74-1718
ホームページ http://www.yoshidasangyo.net/ 
代表者 代表取締役 吉田 利生
資本金 3,300万円
社員数 73名(2019年5月末現在)
創業年 1946年